出会い系で独身女性を勧誘、恋愛感情も利用…FX詐欺被害500人超か

ニュース内容

大阪市の男らが無登録で外国為替証拠金取引(FX取引)への出資を募っていた事件で、出会い系サイトを利用する30~40歳代独身女性が標的にされていたことがわかった。高知県警は、恋愛感情を利用した手口も使い、高知県内外約530人の顧客から、計3億2600万円の証拠金を預かっていたとみて捜査している。

金融商品取引法違反(無登録)の疑いで逮捕されたのは大阪市北区の金融取引業の男(46)、大阪府羽曳野市の金融取引業の男(51)、高知市の無職の男(47)。3人は高知市内の40歳代女性ら4人から100万~2000万円、計4600万円の証拠金を無登録で預かった疑いが持たれている。

高知県警の発表によると、金融取引業の男2人は海外に「カエサル」というFX取引会社、大阪府藤井寺市に海外への送金を代行するペーパーカンパニーを構え、2017年10月~19年5月、出資者から預かった証拠金を自動売買ソフトを使って運用し、高知県内外約530人から証拠金を集めたという。

高知県警は、無所の男は出会い系サイトなどで知り合った30~40歳代の独身女性に対し、「年に元本の1・3~1・5倍になる」と勧誘し、解約を申し出る客がいても「大丈夫。損はしない」などと安心させて引き留めることがあったとしている。無職の男が勧誘した女性は東京や大阪など5都府県で十数人にのぼるという。

高知県警は昨年1月、高知市内の女性から相談を受け、捜査を開始。逮捕後の認否は明らかにしていないが、任意の調べの中で金融取引業の男2人は「海外で取引をしているので日本の法律は適用されないはずだ」、無職の男は「興味を持った女性の手助けをしただけ」などと話していたという。

2020/11/07 13:22 読売新聞

弁護士からのコメント

今回のニュースは、出会い系サイトで独身女性を勧誘し、外国為替証拠金取引(FX取引)への出資を違法に集めたとして、金融商品取引法違反(無登録)の疑いで逮捕されたというものです。

詐欺の内容としては結果としてはFX詐欺、すなわち投資詐欺の疑いが濃厚な事件ではありますが、その被害者となるターゲットを探すために出会い系サイトを利用している点で、出会い系詐欺の側面があります。

また、恋愛感情も利用して、お金を出させている点で恋愛詐欺の一面もあるといえます。

このように投資詐欺ではありながら、出会い系詐欺や恋愛詐欺の要素もある特徴的なケースですので、以下解説していきたいと思います。

なお投資詐欺の詳細については下記ページにありますので、よければご覧ください。

なぜ出会い系サイトからターゲットを探したのか

外国為替証拠金取引(FX取引)への投資を勧誘するにあたって、たとえばTwitterやLINEなどSNSを利用する方法等もあるのに、なぜ出会い系サイトからターゲットを探したのか疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。

結論からいうと、まず出会い系サイトや婚活アプリなど出会いを求めるシステムの特質上、ターゲットの年齢や地域、趣味などある程度の個人情報を入手することが比較的簡単にできるからです。

どういうことかというと、投資を勧誘する側からすれば、ターゲットとなる相手がお金を持っているに越したことがありません。
そして、お金を持っているかどうかに際しては、情報が多ければ多いほど判別がつきやすいことになります。

それゆえ、出会い系サイトや婚活アプリであれば、そもそも独身であるとの情報は事前にわかることになりますし、登録情報から年齢や地域、趣味なども判別でき、その後のやり取りによっては職業や家族構成なども知ることが可能でしょう。

今回のニュースでいうと、30~40歳代独身女性をターゲットにしたのは、年齢からして、それなりに貯金を持っているであろうとの推測にくわえ、結婚を視野に入れた出会いを求めている割合が多いであろうことから後述する恋愛感情も利用しやすいと考えてのものだと思われます。

また出会い系サイトや婚活アプリを介することで、本来の目的である投資の勧誘を隠してターゲットと接触できることも理由に挙げられるでしょう。

すなわち、当初から投資の勧誘であれば、話すら聞いてもらえないことも往々にしてあるなか、いわば出会い目的を隠れ蓑にして勧誘話に耳を傾けてもらえるよう関係を構築することができるからです。

具体的には、あくまで出会い目的であると装ったうえで一定程度やり取りを行った後に、こんな投資話があるというような流れに持ち込むことでしょう。

このように今回のニュースにある投資の勧誘など実際は別目的であるにもかかわらず、出会い系サイトや婚活アプリを利用している人間は少なからずいます。

したがって、出会い系サイトや婚活アプリなどで出会ったとしても、必ずしも相手が恋愛や婚活を目的としているわけではないケースもありますので、どのような人間かどうかは慎重に判断しましょう。

なぜ恋愛感情を利用するのか

投資が目的であるのに恋愛感情を利用する理由は、冷静な判断や行動をさせないために尽きます。

純粋に投資だけが目的であれば、約束した配当などについて、その遅延や配当金額に差異があれば解約・返金などにすぐさまつながりやすいことでしょう。

また、そのようなことがなかったとしても、不安になった人に対しては、「損はさせない」、「あと少しで利益が出る」などお金に関する話のみで説得することが必要となります。

一方、投資話に恋愛感情を絡ませることで、当初の話と違う事情や結果となったとしても、たとえば「オレのことが信用できないのか」など恋愛相手としての信用問題に話をすり替えることが可能です。

くわえて、追加の投資を求める際も、「あとこれだけ出資してくれれば、会うことができる」など伝えて、投資の意欲ではなく、恋愛感情からくる欲求を条件とすることもできるようになります。

すなわち、本来なら不審に感じたり乗らないような内容であったとしても、恋愛感情を利用することで冷静な判断や行動をさせなくするよう狙っているといえるでしょう。

ですので、恋愛関係となったり恋愛感情が芽生えてから、お金に関する話が出てきた際には気をつけるべきです。

なお恋愛詐欺の詳細については下記ページにありますので、よければご覧ください。

最後に、投資詐欺、出会い系詐欺、恋愛詐欺をはじめ、詐欺被害に遭ったと思われた際には、遠慮なく当事務所にご相談ください。

Bio

弁護士 若林

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。
男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。