竹花貴騎氏は詐欺師!?経歴詐称・学歴詐称と詐欺罪・違法性についての弁護士解説

実業家で、チャンネル登録者数40万人近くを擁するYouTuberである竹花貴騎氏が、自身の経歴を詐称していた疑惑が湧き上がり、大炎上している。

Googleの出身だと言っていた竹花氏、Googleの社員ではなく業務委託だったと話をしたことにより、その経歴が詐称されたものでは無いかとの疑惑が生じ、その後、数々の疑惑が生じることになった。

その疑惑について、竹花氏は自身のyoutubeチャンネルで弁明の動画を10/26に出すも、コメント欄でも炎上。

昨10/28の午後20時頃全面的に、コメント欄を閉鎖するに至った。

本日の記事では、そんな今大注目を集める竹花氏の経歴詐称疑惑について、もしそれが本当ならば、違法なことなのか?詐欺罪にあたるのか?などの点について解説していきたいと思う。

↓以下の動画では、本稿の内容をかいつまんで解説しているので参照されたい。

竹花貴騎氏とは?

竹花氏とは、現在、複数の会社の経営をしている経営者である。

それだけではなく、彼は、チャンネル登録者数40万人近くを擁するYouTuberであり、Instagram、TwitterなどのSNSでも多数のフォロワーを持ち、さらには、MUPという名のビジネススクールを運営している、いわゆる、“カリスマ”である。

そんな、竹花氏のカリスマ性を構築している一つの要素は、彼の華々しい経歴にあった。

竹花氏は、ハワイ州立大学という名門を卒業し、Google Inc,.に入社。

GoogleでSEOについて学んだのちは、23歳という若さにして東証一部上場企業の SMSPH Inc,. の副代表取締役に就任。その後はリクルートHD戦略室で働き、それらの経験を生かして起業して、 現在、5カ国に8社展開しているLimグループを設立。

また、東南アジア諸国に学校を設立するなどの慈善事業までをも行ってきたようだ。

これだけの輝かしい経歴を持つ人であれば、誰でも彼に興味を抱き、彼の話を聞いてみたくなるだろう。しかし、驚くことに、これらの経歴のほとんどがウソであったという疑惑が今続々と湧き上がっているのだ。

経歴詐称・学歴詐称を含む竹花氏の疑惑の数々

事の発端は、10/20に田端信太郎氏がYouTubeで投稿した動画において、竹花氏がGoogleの正社員ではなかったことを暴露したことである。

その動画に対して、竹花氏は「自分は業務委託としてGoogle社の業務を任されていたのであり、正社員ではなかった」と、容疑を認めた。

この暴露を皮切りに、Twitter上で、Z李さん(@Kiss0fthedrag0n)、ぼのぼのですよさん(@bonobonodesuyo)らにより、次から次に竹花氏の経歴や会社の実態についての詐称の事実が暴露され、現在、大炎上中である。以下に、竹花氏にまつわる疑惑をまとめてみた。

①経歴詐称 Googleの正社員ではなく業務委託(常駐)

これは、上述したように竹花氏自身も認めている事実である。

ただ、Google「出身」と書いたのであって正社員であったとは言ってなかったため、詐称ではない旨反論されているようである。

なお、業務委託として竹花氏がどのような業務に携わっていたのかは未だ明らかにされておらず、そもそも業務委託という関係すらなかったのでは?という疑惑さえも上がっている。

②ハワイ大学出身ではない?

どうやらこれも事実である可能性が高そうだ。

というのも、竹花氏がハワイ大学在学中に撮影されたと言われていた写真が実は、入学費1万7千円で入ることができるハワイの語学学校で撮られた写真だったことが判明したようである。

これにより、ハワイ大学出身も詐称なのではないかという疑惑が上がっている。

③SMS社の出身ではない?

これは、現状なんら証拠があるわけではないが、名刺が本物のものか疑わしいとの疑惑が上がっている。

④Limのオフィスが合成写真?スタッフはフリー素材?

竹花氏が、設立し、経営していた会社Lim。

この会社は香港に本社があるとされていた。その香港オフィスで撮影されたかのようにHP上で掲載していた写真が、実は合成写真であった疑惑が上がっている。

また、スタッフとして掲げられていた女性の写真がネット上のフリー素材から拾ってきたものであったり、Lim社の専属シェフとして掲げられていた写真も、海外のレストランのHP上から引っ張ってきたものだったりと、Lim社の実態はどうなっているのかと思わせる疑惑が上がっている。

⑤慈善事業の写真も合成か?

竹花氏は、自身のYouTubeチャンネル上で、慈善事業としてフィリピンで学校を設立し運営していると言っていた。

しかしながら、その学校を運営しているのはどうやらカトリックの別の団体らしく、竹花氏はその学校に寄付をしたことがあるに過ぎなかったらしい。

なお、その学校に「竹花財団」の看板がかけられていた映像について合成の疑惑が上がったが、こちらは本当に1日だけ看板がかけられていたようで、映像はその際のものであるとのことらしい。

⑥Limは詐欺師が作った会社?竹花氏は詐欺師の広告塔?

こちらについては、未だ確たる証拠があるわけではないが、Limは詐欺グループが作った会社であり、竹花氏はその会社の広告塔、インフルエンサーとして、詐欺グループに持ち上げられた存在なのではないかとの疑惑も上がっている。

⑦Limのインスタツールは,スパム?

Limが売り出しているインスタツールについても、そもそも、Instagramが禁止している、スパム的行為にあたる方法でフォロワーを増やすサービスを提供しているのではないかという疑惑が上がっている。

⑧ YouTubeでは,他者の映像を盗用?

竹花氏の、YouTubeチャンネルでは、竹花氏がビジネスの成功法、人生論などを語る系の動画が多数あげられていたが、それらの動画中には、竹花氏の語りに合わせて背景として様々な映像が流されていた。

その中に、なんと他のYouTuberが作成した動画、さらには、水嶋ヒロさんが起用されているアシックスのCMまでもが含まれていた。

⑨MUPカレッジの学生数は捏造?

さらには、竹花氏が今現在力を入れている、MUPカレッジというビジネススクールについても、非常に多くの学生数がいるものの、これらはいわゆる偽アカウントを集めたものであり、学生数も捏造しているのではないかとの疑惑も上がっている。

これらの数々の疑惑について、Twitter上で検証されていたものの、現在は削除されているものも多い。

現在、これらの疑惑についてわかりやすく解説されているものとして、青汁王子こと三崎優太氏の動画があるので、詳しく知りたい方はこちらの動画も参照して欲しい。

これらの疑惑が次々と出てきたことで、ネット上では、竹花氏のことを「詐欺師だ」と揶揄する声も多い。

では、竹花氏は、本当に「詐欺師」なのか?竹花氏の経歴詐称疑惑が本当だとしたら、彼の行為は、刑法上の詐欺罪にあたる行為なのか?以下では、その点について解説して行きたいと思う。

経歴詐称・学歴詐称と詐欺罪

経歴詐称をすると常に詐欺罪が成立するのだろうか?

まず、一般論を言うのであれば、経歴詐称をしただけでは、詐欺罪には当たらない。それは、経歴詐称は、通常、下記の詐欺罪の成立要件を満たさないからである。

詐欺罪の構成要件について

それでは、ここで刑法上の詐欺罪の成立要件について見ていこう。刑法246条1項は以下のように定めている。

第246条 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

刑法

そして、詐欺罪が成立するためには

  • ①欺罔行為
  • ②錯誤
  • ③処分行為
  • ④財産の移転
  • ⑤財産上の損害

という5つの要件が必要であるとされている。この5つの要件を簡単に説明すると、

  • ①騙す行為があること
  • ②騙されて勘違いしていること
  • ③それによって、財産を渡してしまうこと
  • ④財産が騙した人に移動すること
  • ⑤損をすること

という意味だ。

これらの5つのうち、経歴詐称の詐欺罪該当性判断で、主として、問題になる要件は、①の欺罔行為の有無である。

欺罔行為とは騙す行為であると上述したが、騙す行為であればなんでも良いわけではない。判例上、詐欺罪の欺罔行為にあたるためには、以下のような行為でなければならないとされている。

「人を欺いて」とは,人を錯誤に陥らせることであり,相手方が財産的処分行為をするための判断の基礎となるような重要な事項を偽ること,すなわち,相手方がその点に錯誤がなければ財産的処分行為をしなかったであろう重要な事実を偽ることであるとされている。

最判平成26年3月28日判タ解説

こちらについても簡単に言うのであれば、騙されていた人が本当のことを知っていたのであれば、お金を払ったりしなかったと言えるほど重大なウソをつく行為のことである。

判例上、この欺罔行為にあたるかどうかが問題となった事例として以下のようなものがある。

・・・銀行支店の行員に対し預金口座の開設等を申し込むこと自体、申し込んだ本人がこれを自分自身で利用する意思であることを表しているというべきであるから、預金通帳及びキャッシュカードを第三者に譲渡する意図であるのにこれを秘して上記申込みを行う行為は、詐欺罪にいう人を欺く行為にほかならず、これにより預金通帳及びキャッシュカードの交付を受けた行為が刑法246条1項の詐欺罪を構成することは明らかである。

最判平成19年7月17日

この判例は、通帳やキャッシュカードを他人にあげる目的で、それを隠して口座開設を申し込む行為は、銀行が口座開設に応じて通帳、カードを渡すかどうかの判断に関わる重大な点についてウソをつく行為であるため、欺罔行為にあたるとしている。

入会の際に暴力団関係者の同伴、紹介をしない旨誓約していた本件ゴルフ倶楽部の会員であるAが同伴者の施設利用を申し込むこと自体、その同伴者が暴力団関係者でないことを保証する旨の意思を表している上、利用客が暴力団関係者かどうかは、本件ゴルフ倶楽部の従業員において施設利用の許否の判断の基礎となる重要な事項であるから、同伴者が暴力団関係者であるのにこれを申告せずに施設利用を申し込む行為は、その同伴者が暴力団関係者でないことを従業員に誤信させようとするものであり、詐欺罪にいう人を欺く行為にほかならず、これによって施設利用契約を成立させ、Aと意を通じた被告人において施設利用をした行為が刑法246条2項の詐欺罪を構成することは明らかである。

最判平成26年3月28日

この判例は、暴力団関係者が、ゴルフ場で、身分を秘して、施設利用の申し込みをした行為が、ゴルフ場が利用を許すかどうかを判断する重要な事項についてウソをつく行為にあたるため、欺罔行為にあたるとしている。

経歴詐称・学歴詐称は詐欺罪の疑罔行為にあたるか?

では、経歴詐称は、欺罔行為にあたるのか、これも上記の判例と同様に判断される。

すなわち、詐称をした経歴や学歴が、その商品との関係で、商品を購入するかどうかの判断の基礎となるような重要な事項といえるかどうかという点が重要になる。

先ほど一般論として、経歴詐称をしただけでは欺罔行為に当たらないと述べたが、その理由は通常、商品を売る人がどのような経歴を持つ人かどうかは、商品を買うかどうかにさほど影響を及ぼさず、また、経歴の詐称は商品を買う顧客それぞれに個別に向けられたものではないため、処分行為に向けられていないといえる場合があるからである。

たとえば、あなたが、パン屋さんでパンを購入する際、パン屋の店主が、実は高卒なのに東大卒であると、ウソをついていたとしよう。

あなたは、その店主に「詐欺だ!」というだろうか?言わないであろう。それは、店主の経歴がパンを購入するかどうかにさほど影響を与えない事実であるからだ。一方で、仮に、フランスパン専門店で、海外に行ったことがない店主が、本場フランスで修行した経験があるとウソをついていたとしよう。あなたは、きっと、「詐欺だ!」というだろう。
 
経歴詐称が詐欺罪に該当するか否かはまさに上記のような点が問題となる。

これを、竹花氏の件について引き直して考えてみよう。竹花氏の経歴詐称は欺罔行為にあたるのであろうか。以下の画像を見て欲しい。

これは、竹花氏が、行なっているプライベートコンサルの料金だ。

「1時間380万円」という驚くべき金額である。

このプライベートコンサルの内容説明として書かれている文章に注目してほしい。

説明には「世界トップ企業にて培ったノウハウ」との文言がある。これを読めば、誰しもが、このコンサルを受ければ、竹花氏がGoogle社で培ったノウハウが教われると思うであろう。Googleは、ネット界の神ともいうべき存在であり、GoogleのSEOのアルゴリズムなどは値千金の情報である。

すなわち、このプライベートコンサルを申し込んだ人の多くにとって、竹花氏がGoogle社での勤務経験を有するということは非常に重大な事実であると言える。そして、この場合、もし竹花氏がGoogle社で培った経験が全くなかったとしたら、このコンサルを申し込まなかった人がいるかもしれない。このような場合は、竹花氏の経歴詐称は詐欺罪に該当する。

具体的には、竹花氏がGoogleと業務委託の関係すら本当はなかったというのであれば、その時点で詐欺罪の成立が認められる。また、仮に、業務委託の関係はあったとしてもそれが、GoogleのSEO等になんら関係のない仕事(トイレ掃除、窓拭き、お茶汲みなど)であったとしたら、同様に詐欺罪の成立が認められるであろう。

すなわち、竹花氏が「詐欺師」にあたるかどうかは、竹花氏がGoogle社でどのような働き方をしていたかによるという結論になる。

なお、上記の9つの疑惑のうち②〜⑨は仮に本当であったとしても処分行為に向けて個別に言われたものではないため、詐欺罪は成立しない可能性が高いだろう。

竹花氏の疑惑と景表法・特定商取引法・消費者契約法

上記では、刑法上の詐欺罪の成否について詳述したが、経歴の詐称は、他にも景品表示法、特定商取引法、消費者契約法などの法律との関係でも問題となる。

①景表法の優良誤認(同法5条1号)

景品表示法5条1号は商品・サービスの品質を、実際よりも優れていると偽って宣伝したり、競争業者が販売する商品・サービスよりも特に優れているわけではないのに、あたかも優れているかのように偽って宣伝する行為を優良誤認表示として規制している。

竹花氏については、Google社で培ったノウハウが仮にないにも関わらず、上記のような表現をしていたのであれば、この優良誤認表示にあたる。

(不当な表示の禁止)
第五条
 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。
一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの

不当景品類及び不当表示防止法

②特定商取引法の重要事実不告知、不実告知、法定書面の提出

特商法は、争いが起きやすい取引として、同法が列挙した7つの取引について適用される。具体的には、訪問販売、通信販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引(いわゆるマルチ商法)、特定継続的役務提供(語学教室、エステサロンなど)、業務提供誘引販売取引(仕事を提供するといってその仕事に必要な物品を買わせる等する取引)、訪問購入の7つについて適用される。

竹花氏のコンサルやビジネススクールについても勧誘方法等によっては、上記取引形態にあたるため、同法の適用がある場合がある。

同法では、価格・支払い条件等取引における重要事項について、不実告知、虚偽の説明、又は、故意に告知しないことを禁止している。

竹花氏については、Googleでの勤務経験の有無は重要事項にあたるため、仮に、経験がなければ、重要事実の不告知、不実の告知にあたる。これらの規定に違反すると、主務大臣の指示(特商法7条)、業務停止命令(特商法8条)といった行政措置の対象となる。また、3年以下の懲役などの罰則もある。

③消費者契約法の不利益事実の不告知、不実告知

消費者契約法でも特商法と同様に不利益事実の不告知(同法4条1項1号)、不実告知(4条2項)などの規制がある。

すなわち、仮に詐欺罪に該当しないとしても、上記のような法律に違反している可能性は十分にあり、その場合、竹花氏の経歴詐称は「違法」ということになる。

おわりに 詐欺被害に遭わないために

経歴詐称は、道徳的には問題があるが、上述のように全てが詐欺罪に該当する違法行為になるわけではない。

そして、道徳的な問題と違法適法の問題は峻別しなくてはならない。竹花氏がGoogle社でどのような仕事していたのかに関する情報が未だ出ていない以上、「詐欺師」とも「違法行為」とも呼ぶには早いだろう。

新たな情報が出てくるのか?今後も注目だ。

詐欺の被害にあわないためには、詐欺師がよく使う手口について知っておく必要がある。

情報商材等の詐欺師の手口や詐欺に遭ってしまった場合の返金方法について、以下の記事を参考にして欲しい。

情報商材詐欺の手口とその返金方法を弁護士が徹底解説【2020年最新版・動画あり・逮捕事例あり】

Bio

弁護士 若林

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。
男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。