「パチンコ攻略」詐欺容疑、男逮捕 立件額は約3千万円

ニュース内容

「パチンコ攻略情報を提供する」などと虚偽の話をもちかけて現金をだまし取ったとして、青森県警は8日、会社役員関真吾容疑者(46)=東京都板橋区中台3丁目=を詐欺容疑で逮捕し、発表した。容疑を否認しているという。県警は、関容疑者が同様の手口で詐欺を繰り返すグループのリーダー格だったとみている。

県警によると、関容疑者の逮捕容疑は、仙台市の20代の女性から約150万円をだまし取ったというもの。関容疑者が率いていたとみられる5人が詐欺容疑で逮捕、起訴されており、グループの立件額は今回の逮捕容疑を含め、青森、山口、広島、奈良、東京、千葉、愛知、神奈川などの計16人に対する計約2916万円となった。

グループは、パチンコの結果に応じて報酬が受け取れるとして「パチンコの打ち子募集」と広告で勧誘。電話で応募してきた人に対し、「高確率で大当たりを発生させるパチンコ攻略情報の提供を受けるために、預け金が必要」などと偽るほか、「会員登録手数料」や「パチンコ攻略法の情報料」の名目で現金をだまし取っていたという。

2020年7月9日 11時34分 朝日新聞

「パチンコ詐欺」とは!?

今回のニュースは、「パチンコ攻略情報を提供する」などと虚偽の話をもちかけて現金をだまし取ったとして詐欺の疑いで逮捕されたというものです。

これは、いわゆる「パチンコ詐欺」と言われているもので、従来から行われている詐欺の1つです。

「パチンコ詐欺」とは、パチンコの攻略法や必勝法があると装い、その情報提供名目で金銭を騙し取る詐欺のことをいいます。
「パチンコ攻略法詐欺」「パチンコ必勝法詐欺」と呼ばれることもあります。

そこで今回は、「パチンコ詐欺」の手口や対策について解説したいと思います。

「パチンコ詐欺」の具体的な手口

まず勧誘手法としては、ホームページやSNSなどインターネットを用いて勧誘しているのが主流です。

勧誘内容としては、今回のニュースのように打ち子募集を装うもののほか、ストレートに攻略法や必勝法があると記載しているものも多く見受けられます。

そして問い合わせがあった者に対して、特別なルートから仕入れたパチンコ台メーカーの情報であるとか人数限定の情報であるなどを伝えることで、心理的に特別感や限定感をあおってくることが通例です。

そこで攻略法や必勝法を購入するとなった場合には、保証金や預り金、情報料や手数料など何かしらの名目での金銭を要求します。

この際、当初から高額の金銭を要求することは少なく、むしろ比較的低額で要求し、いちど実際に支払わせることに重点を置いています。

というのも、いちど支払わせることで攻略法や必勝法がもうすぐ手に入るとの期待を抱かせられるので、そうなると後に追加で金銭が必要になったと伝えたとしても、入手したい欲望を叶えるべくさらに支払う心理的状況になることがわかっているからです。

これはパチンコ詐欺という性質から、ギャンブルにハマる人の心理、具体的には「もう少しつぎ込めば勝てる、負け分を取り戻せる」との思考を逆手に取ったものといえるでしょう。

その後、支払えるだけ支払ってもまだ足りないと言われるか、攻略法や必勝法が届かない、届いたとしても中身がない情報が届き、パチンコ詐欺被害に遭ったことに気づくという結末になります。

このようにパチンコ詐欺は、ギャンブルをする人間の心理を巧みに利用して金銭を騙し取っている点に特徴があります。

「パチンコ詐欺」に遭わないための対策

そもそもパチンコはギャンブルである以上、必勝法や確実に勝てる攻略法はまずないということを認識すべきです。

もし必勝法や確実に勝てる攻略法があるのであれば、もはやギャンブルではないからです。

裏を返していうと、必勝法や確実に勝てる攻略法があるパチンコ台は、パチンコ店側からすれば売上・利益が下げるものでしかない以上、仕入れるわけがないからです。

また仮に、何かのバグやエラーでいずれかのパチンコ台機種に必勝法や確実に勝てる攻略法があったとしても、その情報を他人に教えることもないと言わざるを得ません。

他人に教えず、自らや自らの周りだけで情報を利用すれば利益が上がる上、多くの人間に教えるとパチンコ店やパチンコ台メーカーが異変に気付く可能性が高まり、結果すぐに修正されてしまうからです。

以上のように、パチンコにおいては、必勝法や確実に勝てる攻略法はまずあり得ず、仮にあったとしても他人に教えるメリットがないものといえます。

ですので、パチンコの必勝法や攻略法があるとの勧誘はパチンコ詐欺と考え、絶対に手を出さないようにしましょう。

最後に、パチンコ詐欺はもちろん詐欺被害に遭ったかもと思った場合には、遠慮なく当事務所にご相談ください。

Bio

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。
東京弁護士会所属(登録番号:50133)
男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。