「給付金10万円」申請代行を勧誘する不審メール

ニュース内容

新型コロナウイルス対策として政府が全国民に10万円を給付する見通しとなったことを受け、事業者を名乗って「市役所への申請手続きを代行する」と勧誘するメールが住民に届いていたことが、兵庫県姫路市消費生活センターへの取材で分かった。担当者は「細かい手続き方法などは決定しておらず、給付に便乗した詐欺の可能性もある」と注意を呼び掛けている。

同センターによると、一律給付の方針が報道された17日、市内の60代男性が代行業者を名乗るメールを受け取った。男性は同センターに電話で相談し、断るようアドバイスを受けた。担当者は「個人情報の入手や高額の手数料を取るなどの狙いがあるかもしれない」と警戒を強める。

2~4月、同センターに寄せられた新型コロナ関連の消費者相談は102件(4月16日時点)。マスクに関する内容が多く、「知らない人から送り付けられた」「注文していないのに『50枚入りを2箱8360円で送る』とメールが来た」などのケースがあったという。

他の消費者トラブルの事例は国民生活センターのホームページで確認できる。(井沢泰斗)

2020/4/18 20:20神戸新聞NEXT

弁護士からのコメント

今回のニュースは、新型コロナウイルス対策として政府が全国民に10万円を給付する見通しとなったことを受け、事業者を名乗って「市役所への申請手続きを代行する」と勧誘する不審なメールなどが送られているというものです。

新型コロナウイルスにまつわる詐欺や悪徳商法は、日に日に増加の一途をたどっています。

コロナに便乗した詐欺や悪徳商法については下記ページにまとめていますので、よければご参照ください。

今回のニュースにおいては、コロナ給付金詐欺といえる当該不審なメールを送る詐欺師の企みについて解説したいと思います。

まずニュースにあるよう個人情報を騙し取ることは狙いといえるでしょう。

個人情報とは、氏名・住所・電話番号のほか口座情報やクレジットカード情報などが挙げられます。
上記の個人情報を騙し取り、あわよくば悪用することで金銭までも騙し取る手口です。
なお金銭まで騙し取れない場合であっても、個人情報を売買することで金銭を得ることも考えていると思われます。

また手数料などの名目で直接金銭を騙し取ることも目論んでいるでしょう。

手口としては、保証金名目や代行手続の手数料名目で先に振込等で支払いが必要と案内してくることが考えられます。

いずれにせよ政府からの10万円の給付金が貰えるとの見通しをいわばダシにして、詐欺を行おうとしている点で本当に悪質です。

というのも、金銭が貰えるのであるならと個人情報を伝えたり、いくらかの手数料を支払ったりとの行動に出てしまうことはある意味仕方のないところであり、特に困っている状況にあればなおさらだからです。

このような人の行動心理につけ込みながら、かつ国全体が緊急状況下にある中で、政府の施策に便乗したものですので、非常に質が悪い詐欺といえるのです。

コロナ給付金詐欺に遭わない対策としては、まだ方針が決まっただけで実際に給付を行う手続や運用方法などが決まっていない段階の話は、まず詐欺と考えて対応しないことです。
また、もちろん給付の手続や運用方法が決まった段階であっても、少しでも不審な点があればすぐに役所や警察などに相談しましょう。

最後にコロナ給付金詐欺にかかわらず詐欺被害に遭ったかもと思った際には、遠慮なく当事務所にご相談ください。

Bio

弁護士 刈谷龍太

グラディアトル法律事務所代表弁護士。
中央大学法科大学院修了。2012年弁護士登録。
離婚・労働・ネット・消費者被害など一般向けのトラブルから、企業法務や経営サポートなど幅広く担当。