「かばんが汚れた。誠意を見せろ」と金を要求…各地の飲食店狙う詐欺カップル

ニュース内容

飲食店狙う詐欺カップル現る
取材班が訪ねたのは、福岡・北九州市八幡西区のレストラン。
3月9日のランチタイム、迷惑なカップルが現れたという。

レストラン従業員:
女性の方がこの椅子にかばんを置かれて、私が向こうで準備をしている間に、すみませんと男性の方から呼ばれた。そして「女性のカバンが汚れたんだけど」と突然怒鳴られました。

店員によると、男性の見た目は50代で、女性は40代。
2人は席に案内されるとすぐに「かばんが汚れた!」とクレームをつけていた。

レストラン従業員:
ピンクの籐のカバンの裏が真っ黒い油染みで汚れていた。
(椅子はどういう状況だった?)
特に汚れは見えなかったが、少しぬれている感じだったので、多分おしぼりで拭いた感じ。
結婚記念日で買った大切なかばんだといわれていたので、ご夫婦だとそこでわかった。おいくらぐらいしたのですか? と聞いたら「5万7,000円したんだけど」と言っていた。

店側が困惑する中、男女はこう切り出してきた。

レストラン従業員:
謝罪の誠意を見せてくれ。誠意というのはクリーニング代とか謝罪のお金。

店側は、男女が弁償金目当てに言いがかりを付けたと判断。要求を突っぱねた。

レストラン従業員:
お金はこちらでお渡しはできないとなって、そうしたら「現金がどうたらこうたら言っているわけではないよ」と。当店も保険などに入っているのでそちらで対応させていただきますと、保険というワードを出したらそそくさと帰っていった。

実はこの男女、今 SNS上で「詐欺カップル」として注意喚起されている。

取材班がまとめたところ、この「詐欺カップル」は2020年2月以降、北九州市八幡西区や八幡東区、小倉北区のほか、福岡市中央区の飲食店にも出没している。

手口はワンパターンで、店に現れ、席に案内されると「かばんを置いたら汚れた」などとネチネチと言いがかりをつけ、最後は「誠意を見せろ」と金を要求する。
クリーニング代として数千円を払った店もあるという。

手口は「かばんを置いたら汚れた」
「詐欺カップル」の目撃は山口・下関市でも…。

ホテル支配人:
あれは2月3日だったと思います。お座りになってすぐに「ああっ!」と声を出されて、「いかがなさいましたか?」とお聞きしたら、「テーブルが汚れていたので家内のバッグが汚れてしまった。お話の仕方に特徴があってマギー司郎さんみたいな感じといいますか。「どうしたらいいですかね、これは。う~ん、困りましたよね~」という、こんな感じですかね。

さらに、その4日前には山口市でも…。

飲食店店長:
(来たのはいつごろ?)
1月30日木曜日、(店に)入られてすぐに、かばんが、服がぬれたと言って。

「詐欺カップル」は山口県内を西へと移動し、福岡県に乗り込んできたのか。
2人は、何者なのか。
さらに追跡すると…とある店の防犯カメラが2人組の姿をバッチリ捉えていた。

ホテル支配人:
「テーブルが汚れていたので家内のバッグが汚れてしまった」と。「もうお金ですよね、こういうときは」と。

福岡や山口の飲食店で確認されている“詐欺カップル”。
その手口は、男女が客を装って来店し「かばんを置いたら汚れた」と店側に言いがかりをつけ、弁償金をだましとろうとするもの。
取材班が調べたところ、この“詐欺カップル”とよく似た男女2人組が別の場所でも同様の犯行に手を染めていたことがわかった。

東海や関西の飲食店にも…
2人組は、2014年に三重・伊勢市で確認され、2016年には、兵庫県の神戸市や西宮市にも出没している。

2017年には、京都市内の飲食店にも姿を現し、合計で約16万円だまし取ったとされている。
2018年には、奈良市内の飲食店を荒らし、和歌山市にも姿を見せた。

実際に被害を受けた店の店長は…。

和歌山・飲食店店長:
「新婚旅行の時にオーダーメードで作ってもらったので世界に一つしかない。唯一無二のかばん」と言われた。
(弁償金を支払った?)
支払いました。現金で2万円。

次に2人組が現れたのは、兵庫・たつの市の焼き肉店だった。
この店の防犯カメラが2人組の姿をバッチリ捉えていた。

これが、東海と関西の飲食店を荒らしまくったうわさの2人組。
男は、眼鏡をかけ、黒っぽいスーツに丸刈り。そしてセカンドバッグ。
女も眼鏡をかけ、黒っぽい服にショートカット。手には例の小道具だ。
はたして、この2人組は福岡や山口に出没している詐欺カップルなのか。

ホテル支配人(下関市):
男性は間違いないと思います。

飲食店店長(山口市):
男性はめっちゃ似てます。

レストラン従業員(八幡西区):
(女性は)ああ、この方です。

やはり同一人物のようだ。
街に現れた詐欺師のカップル。これ以上、被害拡大しないことが望まれる。

2020年4月12日 日曜 午後6:00 テレビ西日本

弁護士からのコメント

今回のニュースは、「かばんが汚れた。誠意を見せろ」と金銭を要求する手口で、各地の飲食店を狙う詐欺カップルがいるというものです。

先日もお伝えいたしましたが、飲食店において、衣服等が汚れた・なくなったとか料理に異物が混入していたなどと偽って、弁償や慰謝料の名目で金銭を騙し取る、いわゆる飲食店詐欺は昔からみられる詐欺の1つです。

飲食店詐欺の手口や対策については下記2つのページで解説していますので、よければご参照ください。

今回のニュースにおいては、なぜカップルで飲食店詐欺を行うのかについて解説したいと思います。

一言でいうと、一方を証言者にすることで、行った手口・内容に信ぴょう性を持たせ、金銭を騙し取りやすくするためです。

今回のケースでいえば、もし仮に1人でカバンが汚れたと言っても当人の話でしかありませんから、飲食店側に詐欺やクレーマーなどの疑いで対応される可能性も往々にあるでしょう。

しかし、カップルというかたちで一方が「さっきまでは汚れていなかったのに」などと証言されれば、飲食店側は疑いを持ったとしても証言がある以上、なかなか強くは言えなくなります。

またニュースにもあるよう「結婚記念日で買った大切なもの」「新婚旅行でオーダーメイドで作った唯一無二のもの」などと高額の弁償をさせるための話も、カップルであることから飲食店側に信じさせやすいといえます。

このように詐欺カップルがそれぞれの役割を行うことで、いかにも手口が真実であるかのように装い、落ち度が飲食店側にあるとして金銭を騙し取ろうとします。

飲食店詐欺に遭わない対策としては、詐欺師は様々な手口で金銭を騙し取ろうとしてきますが、毅然な態度で対応するべきです。

最後に飲食店詐欺に遭ったかもと思った際には、遠慮なく当事務所にご相談ください。

Bio

弁護士 刈谷龍太

グラディアトル法律事務所代表弁護士。
中央大学法科大学院修了。2012年弁護士登録。
離婚・労働・ネット・消費者被害など一般向けのトラブルから、企業法務や経営サポートなど幅広く担当。