カード切って「安心」詐取に注意

ニュース内容

正利用を名目にキャッシュカードをだまし取る特殊詐欺で、被害者の目の前でカードの一部をハサミで切って「これで不正利用ができなくなった」と安心させてだまし取る手口が増えていることが分かりました。カードは実際には使うことができる状態で、警察は「カードを回収するという話はすべて詐欺だ」として注意を呼びかけています。

警察によりますと、3月18日、大阪・阪南市の70代の夫婦に「キャッシュカードが不正に使われている」と電話がありました。
電話のあと、警察官を装った男がカードを回収するとして自宅を訪れましたが、「不正利用ができないようにする」といってカードの一部にハサミでおよそ2センチの切れ込みを入れ、あわせて4枚をだまし取ったということです。
詐欺に気づいた夫婦が直後に通報し、警察は市内にいた19歳の少年を逮捕しました。

カードは、磁気の部分を避けて切られていて、使うことができる状態で、携帯電話からは切り方を指南するマニュアルも見つかったということです。
こうした手口は去年の秋ごろから増えているということで、警察は「カードを回収するという話はすべて詐欺だ」として注意を呼びかけています。

03月29日 12時41分 NHK

弁護士からのコメント

今回のニュースは、キャッシュカードをだまし取る特殊詐欺で、被害者の目の前でカードの一部をハサミで切って「これで不正利用ができなくなった」と安心させてだまし取る手口が増えているというものです。

特殊詐欺は、年々手口が多様化・巧妙化しています。

最新の特殊詐欺のニュースにつきましては下記ページにて複数紹介しておりますので、よければご覧ください。

そして今回のニュースにあるキャッシュカードをだまし取る特殊詐欺は、昨年ごろから急増しています。

その背景としては、従前において主に行われていた被害者自身に振り込ませる手口は、警察や銀行をはじめとした金融機関も警戒を強めており、詐欺被害を未然に防止されることが多くなった点が挙げられます。
特殊詐欺グループ側からすれば、金銭を騙し取れないばかりか犯罪として摘発されるリスクが高くなったともいえるでしょう。

そこで新たな手口として、被害者から直接キャッシュカードを騙し取り、口座に入っている預金を特殊詐欺グループ側で引き出す手口を編み出したということです。

今回のニュースでは、警察官を装いハサミでカードの一部に切れ込みを入れることで安心させてだまし取る手口でした。

他にも、下記ページにもありますよう「すり替え」型の手口も横行しています。

このように詐欺師は、あの手この手と騙し取る手口を考えては実行に移します。

キャッシュカードを騙し取る特殊詐欺に遭わない対策としては、ニュースにもあるよう不正利用で回収する必要があるなどカードを手渡すよう要求してくるものは、すべて詐欺と考えて絶対に渡さないようにすべきです。

最後に特殊詐欺に遭ったかもと思った際には、遠慮なく当事務所にご相談ください。

Bio

弁護士 刈谷龍太

グラディアトル法律事務所代表弁護士。
中央大学法科大学院修了。2012年弁護士登録。
離婚・労働・ネット・消費者被害など一般向けのトラブルから、企業法務や経営サポートなど幅広く担当。