増税後はあなたのキャッシュレス決済を狙ったポイント還元詐欺に要注意

ニュース内容

・消費税率10%化に伴い「ポイント還元制度」がスタート。
・だが、料金未納と嘘をついてパスワードを盗み取る「ポイント還元詐欺」が横行するかも。
・焦りを誘うメッセージを真に受けず、まずは落ち着いて公式サイトから問い合わせを。


増税と同時にスタートの「ポイント還元制度」って?

みなさんご存じの通り、10月1日から消費税率が8%から10%に上がりました。あわてて財布のヒモを締め直したという方も多いのでは。

そんな中、注目を集めているのが「キャッシュレス決済に対するポイント還元制度」です。これは、消費税率の10%化に伴い、2019年10月1日から2020年6月30日までの9ヵ月間、中小・小規模事業者の店舗でキャッシュレス決済を利用すると最大5%(フランチャイズ傘下の店舗では2%)のポイント還元が受けられる、というもの。

具体的には、電子マネー・プリペイドカード・クレジットカード・デビットカード、並びにそれらをスマートフォン上で利用することなどがキャッシュレス決済の手段として認められています。平たく言えば、ポイント還元制度に登録した加盟店での支払い時に、現金以外を使えばOKです。

政府としてはこの機会にキャッシュレス決済の認知度・利用率向上を図ろうという狙いがあるため、期間限定ではあるものの、増税分を上回るポイントが手に入ってしまうという、大変おトクな制度となっています。

あなたを狙うポイント還元詐欺にご注意を!

しかし残念ながら、お得な情報には必ず悪意ある人たちが群がります。今回のポイント還元制度においても、ポイント還元詐欺とでも言うべき行為が横行する可能性があります。

最もポピュラーな手口として想定できるのは、SMSなどに突然、「あなたが利用中のキャッシュレス決済サービス●●において未納料金が発生中です。至急下記URLからチャージをしてください」といったメッセージが届く、というもの。「未納」「至急」という強烈な単語に驚愕してURLをタップすると、正規サイトのログイン画面を模した偽サイトに飛ばされます。その画面で打ち込んだIDやパスワードは悪意ある人たちの元に送信され、あっという間にサービスを乗っ取られてしまいます。金銭が直接関わるサービスですから被害は甚大です。

対策は、焦りを誘う文章に惑わされず、自分で当該サービスの公式サイトを検索し、そこから未納の事実があるかどうか問い合わせることです。お金が絡むと、人はどうしても浮足立ってしまいます。悪意ある人たちの手口に乗らないよう、まずはいったん落ち着くことが肝要です。

2019年11月28日 07時00分更新 ACCll.jp

弁護士からのコメント

今回のニュースにあるよう、「ポイント還元詐欺」とは、「キャッシュレス決済に対するポイント還元制度」に乗じて、SMS等でIDやパスワードを盗み取ったり、金銭を騙し取ったりする詐欺のことをいいます。

このような制度や時代の流れに乗っかって、詐欺を行う人間がいることは、残念ながら出てきてしまうのが現実です。
たとえば今年においては、元号が平成から令和に変わったこと東京オリンピックのチケット販売消費税が10%に変更されたことなどにつけ込んで、詐欺が行われていることが確認されています。

今回の 「ポイント還元詐欺」 に遭わない対策としては、たしかに未納や至急など焦らせる文言は記載しているものの、いったん冷静になって、当該キャッシュレスサイトに問い合わせることが重要です。

その際、SMS等で届いた内容に記載している連絡先に対しては、絶対に問い合わせてはいけません。
詐欺を行う者は、その連絡先についても虚偽の情報を記載し、詐欺被害に遭わせようと企んでいるからです。
ですので、手間であろうとも、自ら検索して出てきた連絡先に対して問い合わせるべきです。

最後に 「ポイント還元詐欺」 に遭ったかもと思った際には、遠慮なく当事務所にご相談ください。

Bio

弁護士 刈谷龍太

グラディアトル法律事務所代表弁護士。
中央大学法科大学院修了。2012年弁護士登録。
離婚・労働・ネット・消費者被害など一般向けのトラブルから、企業法務や経営サポートなど幅広く担当。