長引きながらも粘り強く対応して、交渉だけで投資詐欺から全額返金!!

1.事案の概要~弁護士との相談に至るまで~

相談者は30代男性。
相手方とはインターネットを通じて知り合いに。
あるとき、相手方からFX投資に関する話があるとのことで、実際に会うことに。

話を聞くと、極秘で紹介限定の自らも利用しているFX投資ツールがあり、数カ月もあれば資金を回収できるので、購入しないかとの誘いでありました。
金額が金額だったこともあり、その場は回答を保留。

しかし、実際に持参されたパソコンでツールの運用画面を見させられたこと、また、当時FXや仮想通貨の投資で成功したニュースがよく取り上げられていたこと、さらに、相手方が以前からSNS上で高級車や海外旅行の写真をよく載せており羽振りがよさそうに見えたことから、相談者も投資のため購入することを決断。

その後、再び会うことにし、ツールのデータが入っているUSBを受け取り後、購入代金を相手方に振り込むことになりました。

当日会うと、相手方はUSBを持ってきていたものの、紹介取引パスワードをUSB内に入力することを失念していたので、そのままでは使えないとのこと。

一方で、本日中に相手方からツールの元の販売業者に対し、諸経費や手数料を入金しなければならない話になっているので、申し訳ないが先に振り込んで欲しいとの要望が。
なお、遅くとも翌日までには上記パスワードを伝えるので、自らUSB内に入力して使ってほしいと。

相談者は、USB自体は受け取ったこともあり、相手方を信頼し、相手方の口座に購入代金250万円を振り込みました。

ところが、翌日を過ぎても、相手方からパスワードを伝えてもらえず。
そこで、パスワードを教えてくれないのなら返金してほしいと伝えると、そこから相手方とは音信不通となりました。
これは投資詐欺に遭ったのではないかという心配になり、弊所のHPを見つけ相談に来られました。

2.弁護士との相談~方針決定~

まず前提として、FXや仮想通貨などをはじめとした投資話には、その金銭や成功に関する欲を巧みに利用し、詐欺を働く人間が少なからずいることを説明しました。

そして投資詐欺を行う者の常套手段として、まず極秘や紹介限定など世間にまだ出回っていない情報とアピールすることで、今すぐ投資すべきと焦らせる傾向にあります。

また、そのため容易かつ確実に短期間で儲けることが可能と伝え、投資に対する抵抗・ハードルも下げさせてきます

さらに、自らも投資を行ったことで羽振りが良いと思わせ、安心感を与えます

まさに今回のケースも同様の手口だったので、投資詐欺の可能性が高いことを告知しました。
相談者は驚きを隠せないながらも、全額返金の要望で、ご依頼をいただくことに。

方針としては、相手方の氏名・住所は身分証の写真を持っているとのことだったので、相手方に内容証明を送付することに。

また、相手方の口座に振り込んで支払ったとのことだったので、振り込め詐欺救済防止法に基づくいわゆる口座凍結もあわせて進めることに。

なお、振り込んだ取引履歴や今までのメールなどのやり取りは、訴訟の可能性も踏まえて、すべて保存しておくことを依頼者に伝えました。

3.受任後の弁護士の活動~解決に至るまで~

早速、振込先の金融機関に口座凍結を要請し、当日に口座凍結をした旨の報告を受けました。
それを踏まえた上で、相手方に内容証明を送付

内容証明到達後、相手方から連絡が。

全額返金する意向であるが、現在手持ちがほとんどなく返金できないとのこと。
弁護士は、今払えるだけの金額はすぐに返金すること、また、残額については金策にあたって返済スケジュールを作成するようにとその場で回答。

1回目の交渉を終えた翌日、相手方から20万円の返金がありました。

しかし、その後、返済スケジュールの回答を何度も催促するも、金策が難しい状況と明言を避けるばかり。

そこで、依頼者と検討し、回答ない限り、訴訟提起や刑事告訴等さらなる法的措置をすすめていく旨の督促状を送付することに。
すると、到着後翌日に、相手方から40万円の返金がありました。

ところが、改めて返済スケジュールの回答を求めるも、なかなか相手方とはつながらず、ついには連絡不通の状態に

現状を依頼者に報告し、返金ない限り、交渉は決裂との最後通告を意味する督促状を再度送り、これで返金なければ次の法的措置をとることを決定。
再度の督促状到着後、また相手方から40万円の返金がありました。

そして、その一週間後、相手方の代理人となった弁護士から連絡が。
全額返金するので、訴訟提起や刑事告訴などさらなる法的措置はとらないでほしいとのこと。
依頼者に報告すると、全額返金されるのであれば今の交渉で終えることを承諾。

後日、示談書を締結し、全額返金され、無事解決となりました。

4.弁護士からのコメント

投資の話については、詐欺を働く者がいることが過去の歴史から証明されています。

投資詐欺を働く者は、時代に合わせて、投資の対象や内容、連絡手段などを変え、騙し取る被害者を探し出しています。
近年では、最新のFXやバイナリーオプション、仮想通貨などを対象に、SNSを用いて探している傾向が多く見受けられます。

投資詐欺に遭わない対策としては、まずそもそも「投資」とは、成功すればリターンが返ってくる一方、失敗すればリスクがあることを理解しておくのが何より重要です。
そして、リスクが少なくなればなるほど、その分リターンも少なくなるのが当たり前です。

ところが、投資詐欺を働く者は、ローリスクかつハイリターンであることを装って騙してくるのが通常です。
今回のケースでも、極秘や紹介限定など希少性を謳い、短期間で資金回収が可能とし、実際に羽振りをよく見せることで、 ローリスクかつハイリターンな投資であることを伝えてきています。

しかしながら、本当に極秘や紹介限定であれば、人に教えなければ教えないほど自らがより儲けることができる以上、本末転倒です。

また、短期間で回収可能であるならば、それこそ投資費用を先に支払わさせずとも、無償または立て替えることで後から回収すればいい話です。

さらに、羽振りよく見せていても、他人の物や場所を借りていただけであったり、加工技術を用いた写真であったりなど真実は案外不明です。

このように、 少しでも考えておかしいところがあれば、投資すべきでないといえます。
特に、ローリスクかつハイリターンであればあるほど、投資詐欺の疑いが高いのでより注意が必要でしょう。

一方、今回は、長引きながらもなんとか交渉にて解決できた事例でした。

たしかに、内容証明を送付しても、無視や一円も払わないと対応された場合には交渉は決裂で、訴訟提起や刑事告訴など次の法的措置をとらない限り、膠着状態でしょう。

しかし、今回のケースは、なかなかまともに対応されないながらも、一応は全額返金の意向であり、一定程度の返金も受けていました。

そして、当事務所は長年の実績とノウハウから、今回の相手方は粘り強く交渉すればそれで終わる見込みがあると判断し、結果、督促状を2度送付するかたちになりながらも解決に至りました。

なお、詐欺被害・債権回収事件においては、内容証明送付一回だけで、次の法的措置をすすめる弁護士もいる一方、これ以上は受任できないので辞任する弁護士もいるにはいます。

弁護士それぞれ考え方はありますが、次の法的措置をとれば追加で弁護士費用が必要なのが通常です。
他方、辞任となれば1円も被害金額は返ってきません。
いずれにせよ、依頼者に経済的な負担をかけさせてしまいます。

その意味で、当事務所の長年の実績とノウハウが功を奏した事例といえます。

最後に、もし投資詐欺かもと思う場合には、遠慮なく当事務所にご相談ください。

Bio

弁護士 刈谷龍太

グラディアトル法律事務所代表弁護士。
中央大学法科大学院修了。2012年弁護士登録。
離婚・労働・ネット・消費者被害など一般向けのトラブルから、企業法務や経営サポートなど幅広く担当。