口座凍結から、出会い系詐欺の運営者と返金交渉し、依頼者の要望する解決に!!

1.事案の概要~弁護士との相談に至るまで~

相談者は20代男性。
出会い系アプリで、ある女の子と知り合う。
やり取りが弾んで近々実際に会わないかとの段階になったところ、女の子から、「今まで会社のスマホを使っていたけど、会社にバレてしまってもう使えなくなっちゃうので、個人のスマホから連絡するから。ただ、個人のスマホは、今やり取りしているアプリがなぜか使えないので、最初ちょっとだけ登録料かかっちゃうけど別のアプリでやり取りしよう。」との話が。
やりとりが弾んでいたこともあって、少しくらいの登録料ならと女の子から言われたアプリを有料登録

アプリの説明をみると、セキュリティの観点から、やり取りの送受信は文字化けさせており、文字化けを取り除くには別途費用がかかると。
もっとも、お互いの連絡先が交換できたことを確認できたら、全額返金するので実質無料とのこと。
当初は文字化けを取り除くのに数百円レベルとのことだったし、近々会う話にまでなっていたから,連絡先のやり取りもすぐに終わって返金されると思い、利用を開始することに。

早速、まずは自分の連絡先を送るも、女の子から「連絡先、送ってくれた??」と届いていないと返信が。
慣れないアプリで、ミスったのかなと再度送るも、「メールは届いたけど,連絡先が途中までしかない。」との再返信。
そうこう何度かやり取りするうちに、ようやく「ちゃんと届いた!!」との返信が。
その頃には、文字化けを取り除くのが送受信数に応じて高くなるのか、数万円レベルに
ただ,どうせ返金されるものだし、今さら途中でやめるわけにもいかなかったので、アプリの指定口座に都度振り込んでいました。
そして、あとは女の子から連絡先が届けば全額返金されると思っていたところ、今回の文字化けを取り除くには10万円以上かかるとのこと。
さすがに少し躊躇したものの,これで最後と思い振り込むことに。
しかし、文字化けを取り除くと、女の子から返信があった際と同様に、連絡先が途中までしかない内容。
これはもはや運営側の不具合じゃないかと問い合わせたところ、不具合はなく相手方が連絡先を途中までしか送っていないだけであり、それゆえ、互いの連絡先交換が確認できていないので、返金には応じないとの一点張り。

あまりに対応としておかしいのではないかと思い、アプリ名をインターネットで検索すると、出会い系詐欺アプリである旨の数々の検索結果が。
茫然自失となりながらも、どうにか返金してもらえないかと思い、インターネットで検索していたところ、弊所のHPを見つけて相談に来られました。

2.弁護士との相談~方針決定~

まず前提として、出会い系サイトやアプリなど男女が出会う場には、その結婚願望や恋愛感情を逆手に取り、詐欺を行う人間も潜んでいることを説明いたしました。
そして、今回のケースは、真っ当な出会い系アプリに潜んでいたサクラの人間が、詐欺アプリに誘導するパターンの出会い系詐欺であることを伝えました。

しかし、出会い系詐欺の返金の依頼を受けるには、下記のリスクがあることを告知。
すなわち、出会い系詐欺の運営者は、自ら詐欺であることをわかって運営しているため、弁護士が介入してもまともに対応しないことも往々にあること。
具体的には、弁護士から内容証明を送付したとしても、そもそも受け取らなかったり、受け取っても無反応であるということを。
というのも、出会い系詐欺は、数万円から数十万円レベルの詐欺を不特定多数に行う手口であるがゆえに、訴訟までの弁護士費用をかけてまで争う被害者はなかなかおらず、ほとんどの被害者が泣き寝入りすることを運営者は見越しているからです。
このように、内容証明送付だけでは交渉にままならない可能性も大いになり、かといって訴訟まで提起するとなると、弁護士費用との兼ね合いからも経済的メリットがあるか難しい旨のリスクがあることを告げました。

ただ一方で、今回は支払いを振込で行っていたケースであるので、ただちに警察に被害届を出すとともに、当該金融機関に通報することで、いわゆる振り込め詐欺救済法に基づく「口座凍結」がなされれば、相手方と交渉で返金される可能性が出てくる旨を助言いたしました。
口座が凍結されると、当該口座の出金・入金がいずれもできなくなりますので、運営者は、口座内に入っているお金も引き出せず、また他の被害者からの入金もされない状態に陥るからです。
それゆえ、運営者は、口座凍結の解除をしたいがために、自ら連絡してくる可能性が出てくるということです。
相談者は、すぐに警察に被害届の提出及び当該金融機関に通報するとのこと。
そして、口座が凍結され相手方から連絡がくれば、その際は依頼するとのことで、相談当日は帰られました。

すると約1週間後、口座凍結できたこと、また、相手方となる運営者から連絡がきた旨の報告を警察から受けたとのことで、交渉を依頼したいと相談者から電話がかかってきました。
あらためて事務所に来所いただき、交渉で依頼を受けることに。

方針としては、少なくとも全額返金がなされるよう交渉していくことで決定しました。

3.受任後の弁護士の活動~解決に至るまで~

早速、弁護士が相手方と交渉。
半額返金するので被害届を取り下げてほしいというのが相手方の言い分でした。
弁護士としては、その言い分であれば、到底被害届を取り下げることはできず、こちらは全額返金及び慰謝料を支払ってもらってはじめて被害届の取下げを検討するとその場で回答。
相手方は、いったん検討するとのことで最初の交渉を終えました。

翌日、相手方から連絡が。
全額返金するから被害届を取り下げてほしいとのこと。
しかし、弁護士は、当初の主張のとおり全額返金及び慰謝料の支払いがなければ、被害届は取り下げない旨再度伝えました。相手方は、もう一度検討するとのことで2回目の交渉は終了しました。

その3日後、再度相手方から連絡が。
こちらの主張どおりに、全額返金に加え慰謝料も支払うので、被害届を取り下げてほしいとのこと。弁護士は、依頼者に確認後、回答すると返答。
依頼者に確認したところ、全額返金が最低ラインであったから、いくばくかでも慰謝料まで支払ってもらえるのであれば被害届を取り下げてもよいとのこと。

相手方に、全額返金と慰謝料の支払いを確認できたら被害届を取り下げる旨伝えました。
そして,後日合意書を取り交わし、無事入金も確認でき、解決に至りました。

4.弁護士からのコメント

近年、出会い系アプリ等インターネットが出会いのきっかけとして占める割合が急増している傾向にある中、それに伴い詐欺を行う人間も増えています。
今回のように、真っ当な出会い系アプリの中に、いわゆるサクラが潜んでおり、詐欺アプリに誘導するケースも出会い系詐欺の典型的な事例です。

出会い系詐欺に遭わないための対策としては、まず、新たな出会い系アプリ・サイトを利用する際には、どのようなアプリやサイトであるか先に調べましょう。
インターネットで検索すれば、出会い系詐欺アプリ・サイトである場合には、たいてい注意喚起や被害報告などの情報が検索結果に表示されます。
そして、少しでも怪しいと思った際には、利用しないようにすべきです。

さらに、既に振り込んでしまって詐欺かもしれないと思った場合には、即座に警察に被害届を出すとともに当該金融機関に通報しましょう。
相手方は、詐欺とわかって運営していることから、一定程度時間が経てば、順次利用する口座を別の口座に変更する動きに出るのが通常です。
すなわち、振り込んでから時間が経てば経つほど、当該口座は既に利用されなくなっている可能性が高く、口座が凍結されたとしても、相手方としては痛くも痒くもない状況になっているからです。

最後に、もし出会い系詐欺かもと思う場合には、遠慮なく当事務所にご相談ください。

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