特殊詐欺防止に自動録音が効果 大阪狭山市調査

ニュース内容

電話の会話を自動で録音できる機器を貸し出す特殊詐欺対策で、大阪府大阪狭山市が調査した利用者の9割以上に「機器設置後は不審電話がかかってこなかった」ことが12日、分かった。府内では複数の自治体が機器を貸し出しているが、効果の調査結果が明らかになったのは初めて。

同市や黒山署によると、調査は10月、平成29年7月から今年7月までに機器を貸し出した64歳以上の市民178人を対象に実施し、150人から回答を得た。
調査では83人(約55%)が機器を設置する前に不審電話がかかってきたことがあると回答。これに対し、設置後にかかってきたという回答は7人(約5%)だけで、設置により大幅に減少した形になった。

機器を設置した固定電話は着信音が鳴る前に、かけてきた相手に向けて「会話内容が録音されます」などの“警告”が自動でアナウンスされる。特殊詐欺グループはこのアナウンスを聞いた時点で、電話を切っていた可能性がある。

同署などはこの日、市内であった高齢者向けの体操教室でアンケート結果を公表。平井健一生活安全課長は「高い効果も判明した。簡単にできる対策として設置してほしい」と呼びかけた。同市は原則として65歳以上の市民を対象に無料で機器を貸し出している。

2019.11.13 05:58 産経ニュース

弁護士からのコメント

そもそも「特殊詐欺」とは、被害者に電話をかけるなどして対面することなく信頼させ、指定した預貯金口座への振込みその他の方法により、不特定多数の者から現金等をだまし取る犯罪(現金等を脅し取る恐喝及び隙を見てキャッシュカード等を窃取する窃盗を含む。)の総称をいいます。

「特殊詐欺」 の類型としては、「オレオレ詐欺」や「架空請求詐欺」、「還付金詐欺」などがあります。

そして、「特殊詐欺」には、家族・親族や役所・公的団体など被害者が信頼しやすい人間を装い、かつ、事故・事件や裁判・強制執行など緊急を要する状況を告げることで動転させる特徴が多く見受けられます。

今回のニュースでは、自動録音が特殊詐欺防止に効果があったとされています。

その理由としては、録音がなされると、特殊詐欺の実行者は証拠を握られることになり、その証拠を元に逮捕されることをおそれるからと考えられます。

ですので、ニュースのとおり、自動録音装置を設置できるなら設置すべきといえます。

もし設置できない場合であっても、不審電話と思った際には、「今から会話を録音します」と相手に告げるだけで、特殊詐欺防止に効果が見込まれるでしょう。

最後に「特殊詐欺」に遭ったかもと思った際には、遠慮なく当事務所にご相談ください。

Bio

弁護士 刈谷龍太

グラディアトル法律事務所代表弁護士。
中央大学法科大学院修了。2012年弁護士登録。
離婚・労働・ネット・消費者被害など一般向けのトラブルから、企業法務や経営サポートなど幅広く担当。