恋愛詐欺にて、相手方の個人情報を特定し、交渉にて解決に!!

1.事案の概要~弁護士との相談に至るまで~

相談者は20代女性。
マッチングアプリで出会い、話が合ったので実際に会うことに。
実際会ってみても話が弾み、2回目のデートで交際することになりました。

交際してから何日か後、相手方から「近々に母親が大きな病気で手術をするのだが、手持ちがないので手術代200万円を貸してほしい。」との相談が。

当然そんな大金は手持ちがないので断るも、「絶対に働いたお金で返すから!!」と強く言われ、相手方を好きな気持ちがあったので、不安ながらも信じて貸すことに。

結果、相談者は定期預金を解約などして工面し、相手方の要望である手渡しで200万円を貸しました。

そして、200万円を貸した何日か後、「さらに手術代が必要になったので、追加で貸してほしい。」との連絡が。
しかし、さすがにこれ以上は工面できないと断ることに。

すると、断った直後、相手方と連絡がまったく取れなくなりました

自分の置かれた状況に途方に暮れ、泣き寝入りするしかないと思っていたところ、弊所のHPを見て藁にもすがる想いで相談に来られました。

2.弁護士との相談~方針決定~

まず前提として、マッチングアプリなど男女が出会う場には、その結婚願望や恋愛感情を逆手に取り、詐欺を働く人間が存在することを説明いたしました。

そして恋愛感情に乗じた詐欺を行う男の常套手段として、交際が始まる前後に高額なお金にまつわる話を持ち掛けてくること。
まさに今回のケースも同様の手口だったので、恋愛詐欺の可能性が高ことを告知しました。

相談者はショックを受けながらも、できる限りの返金を求めたいとの要望で、ぜひとも依頼したいとのことでした。

しかし、相手方の個人情報が、本人が言っている名前とLINEのアカウント名しかわからないという問題がありました。

現状、LINEのアカウント名から氏名や住所、携帯番号などを判明させることは、弁護士であっても不可能であり、訴訟提起や内容証明の送付ができないという問題です。

それゆえ、弁護士がLINEのやり取りを精査した上で、そこから相手方を特定できる内容がない限り、弁護士作成の請求書面をPDF化してLINE上にて自身から送ってもらうほかに手段がないことを伝えました。

それでも、何もしないよりはマシだということで、ご依頼いただくことに。

方針としては、上記のとおり、LINEのやり取りを弁護士が精査した上で、それをもとに相手方の氏名・住所等を特定できれば、内容証明を送付。
一方、特定できなければ、 弁護士作成の請求書面をPDF化して、LINE上にて自身から送ってもらうことで決定しました。

3.受任後の弁護士の活動~解決に至るまで~

まずは方針どおり、依頼者と相手方のLINEのやり取りを精査しました。
精査した結果、名前は嘘をついていないであろうこと、住んでいる地域、年齢、趣味などがわかりました。

次にその情報をもとに、インターネットで様々な方法で検索をかけたところ、あるSNS上のアカウントにおいて、相手方とおぼしきものを発見
続いてアカウントの投稿を精査すると、投稿の中に住所付近と思われる写真が。

そして実際に写真の現場に赴いて周囲を見て回ると、相手方の名前と同じ表札の住居を見つけることができました

依頼者に報告した上で、早速、弁護士権限に基づき、住民票と戸籍謄本を請求することに。
結果、名乗っていた名前は本当の氏名であったこと及び住所の情報を入手できたので、内容証明を送付しました。

内容証明到着後、すぐに相手方から弁護士に連絡があり、来所して事情を説明したいとのこと。

来所して話を聞いたところ、母親の治療代は嘘、しかし200万は借りたのではなく貰ったものなので返す必要がない、仮に返すとしても残っている20万円しか返せないというのが相手方の言い分でした。

弁護士としては、その言い分であれば、交渉は決裂で、民事で訴訟提起をするとともに刑事で告訴も検討しなければならないとその場で回答。

すると、態度を180度変え、金策に当たってみるので少し時間をくださいとのことで、その日は事務所を後にしました。

依頼者に相手方の言い分を伝え、交渉の方針を検討。

依頼者の意向としては、全額返金されるに越したことはないが、安易に貸してしまった自分にまったく落ち度がないわけではないし、訴訟になって長引くより早期に終わらせたいとのこと。着地点として、半額以上を一括で返金してもらえるならば、交渉で解決することを要望。

上記を踏まえ、弁護士が相手方と交渉。

再度の交渉では、相手方は依頼者要望の最低限である100万円を伝えてきたが、具体的に金策にあたった状況を聞くと、できる限りの金策をすべて行ったとは思えない印象
そこで、できる限りの金策をすべて行ったうえで改めて金額を提示するように回答。

その後、状況確認等含め粘り強く何度も交渉を重ねた結果、相手方の限界と思われる150万円まで提示額を引き上げました。

依頼者に交渉結果を伝えると、もう十分納得できる金額とのことだったので、150万円の一括払いで現金を受領するとともに合意書を締結し無事解決に至りました。

4.弁護士からのコメント

近年、マッチングアプリ等インターネットが出会いのきっかけとして占める割合が増えている傾向にある中、それに伴い詐欺を働く人間も急増しています。

インターネットが出会いのきっかけとなっている場合、実際に会うまでに、ネット上で文章のやり取りだけしか行われないのが一般的です。

そのため、対面や電話で話すのと異なり、表情や態度、声色などの付随情報がないため、文章内容の吟味が難しいという特徴があります。

詐欺を働く人間は、その特徴を逆手に取り、虚偽を織り交ぜ、自らをよく見せることで異性からアプローチされやすいようにします。

ですので、恋愛詐欺に遭わないためには、い人だと思った場合でもしっかりと見極めることが大事です。
特に条件がよければよいほど、登録情報や文章内容が本当かどうか吟味すべきでしょう。

また、今回のケースでは、相手方と連絡がつかなくなり、その個人情報がほとんどわからないという問題がありました。

しかし、相手方との何気ないやりとりが、弁護士からみると相手方を特定する重要な情報や証拠であったりすることがあります。
そして、インターネット検索も、その検索方法次第で、相手方の様々な情報を発見したり取得できることがあります。

このように、弁護士が相手方とのやりとりを精査し、インターネット検索を駆使することで、相手方の氏名や住所等を入手できる可能性はありますので、泣き寝入りはせずにダメもとでも弁護士に相談すべきといえます。

最後に、もし恋愛詐欺かもと思う場合には、遠慮なく当事務所にご相談ください。

Bio

弁護士 刈谷龍太

グラディアトル法律事務所代表弁護士。
中央大学法科大学院修了。2012年弁護士登録。
離婚・労働・ネット・消費者被害など一般向けのトラブルから、企業法務や経営サポートなど幅広く担当。