出会い系詐欺とは?手口や実例について

平成10年頃話題になり始めた出会い系サイトですが、現在では、Facebook提携型マッチングアプリ(Pairs、Tinder、イヴイヴ等)の登場により、その安心感から若者を中心として登録者が急増し、出会い系最盛期ともいうべき状況になってきています。
本稿では、そんな出会い系最盛期の陰に隠れて行われる出会い系詐欺についてご紹介させていただきます。

1.出会い系詐欺とは何か

出会い系詐欺」とは、異性との出会いを目的としたコミュニティサイトいわゆる「出会い系サイト」を利用した詐欺のことを言います。
具体的な手口としては、

①サクラを使用して延々とサイト上で話を続けさせることで有料ポイントを購入消費させる
②無料サイトから有料サイトに誘導して高額な登録料をとる
③サイトを通じて勧誘し、マルチ商法や副業詐欺をしてくる

などがあります。
特に①については、出会い系に限らずサクラサイト詐欺として平成20年頃から多数の被害が発生し、社会問題にもなりました。
なお、出会い系詐欺には、出会い系サイト自体が詐欺集団によって運営されている場合と、サイト自体は真っ当な会社が運営していてもそのサイトの利用者に詐欺集団が紛れ込んでいる場合があります。
上記の①については、前者が多く、②③については、後者が多い傾向にあります。

2.出会い系詐欺の特徴

出会い系詐欺は被害金額が多額に上ることもありますが、多くの場合、少額を多数の利用者から騙し取ることを目的としています。
そのため、詐欺の手法自体はあまり凝ったものではなく、注意深く見れば容易に詐欺だと見破れるケースが大半です。
そんな出会い系詐欺を見破るための特徴についていくつか見ていきましょう。

①登録直後から多数の異性から連絡が届く
サイトに登録したばかりで、自分の個人情報もプロフィール画像も何も設定していないのにもかかわらず、いきなり10数人の異性から連絡が届いてきた場合、そのサイト自体が詐欺集団によって運営されている可能性が非常に高いと言えます。
常識的に考えて個人情報も顔もわからない異性に対して連絡することなどありえず、それらは、利用者に返信させてポイント消費させることを目的としたサクラであることがほとんどです。

②メッセージの会話内容が噛み合わない
こちらもサクラであることを示す典型例であるといえますが、メッセージのやり取りをしていてコピペのような文面が送られてきたり、急に話が飛んだり、質問に対する回答がまったくなかったりした場合、サクラを使用している詐欺サイトである可能性が高いです。

③別のサイトやアプリに誘導してくる
メッセージのやりとりを2、3通交わすと、「このサイトあまり見ないから」「こっちのサイト方が話しやすいから」などと言ってすぐに別のサイトに誘導してくる場合があります。これらは、真っ当な会社が経営している出会い系サイトに巣食う詐欺集団による場合が多いです。これによって、詐欺集団は、自分たちが運営している詐欺サイトに誘導するのです。

上記のような特徴が一つでも当てはまったら、出会い系詐欺であることを疑いましょう。そして、絶対にお金は払わないようにしましょう。

3.出会い系詐欺の刑事上民事上の責任

出会い系詐欺は、はたして、いかなる刑事上民事上の責任を負うのでしょうか?

まず刑事上、刑法246条の詐欺罪に該当します。

刑法246条 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

詐欺罪における「欺く」とは、判例上「交付の判断の基礎となる重要な事項を偽ること」すなわち、騙された人がそれを知っていたらお金を払わなかったといえるようなことについて、騙す行為をいいます。
出会い系詐欺についていえば、本当はサクラしかいなくて異性と出会えないサイトであれば登録料を払うことも、お金を払ってポイントを購入することもなかったといえるような場合、詐欺罪が成立します。
なお、サイト運営者だけでなくサクラをやっていた従業員についても詐欺罪が成立するとした判例があります。また集団で詐欺をしていた場合、組織的犯罪処罰法(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律)によって重罰化されます(同法3条1項13号)。

次に、民事上、民法709条の不法行為責任を負います。

民法709条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

同条における「侵害」すなわち、加害行為とは社会的に不相当な行為をいうとされています。そして刑法上の詐欺罪に該当するような行為が社会的に不相当なのは当然であるため、民法上も責任が認められます。
この責任追及として詐欺被害者は犯罪者に損害賠償請求することができます。

4.過去の有名な出会い系詐欺事件

ここで過去に起きて、ニュースにもなった有名な出会い系詐欺の事件についていくつか紹介します。

①KING事件

出会い系サイトを運営していた大手の業者「KING」の経営者とそのアルバイト従業員らが、組織犯罪処罰法(詐欺罪)違反で東京地方裁判所および東京高等裁判所で裁かれ、有罪判決を言い渡された(平成24年(合わ) 第7号同第52号ほか)。
言い渡された刑罰は、実質的経営者が懲役12年の実刑、代表取締役であった者が懲役10年の実刑に加えて、アルバイト徒業員にも刑が言い渡される等、サクラサイト商法の深刻な被害実態を反映した極めて重い内容であった。

②アグライアジャパン事件

平成25年10月には、「アグライアジャパン」というサクラサイト運営業者が、アイドルになりすまして、約2100名から2億1000万円を願し取ったとして、組織犯罪処罰法違反容疑で、千葉県警に逮捕された。
その後千葉地裁は代表取締役に懲役4年の実刑判決を宣告した。

③ウイングネット事件

AKB48のメンバーやジャニーズ事務所のタレント等を騙るサクラや、多額の金銭供与を持ちかけるサクラがはびこる多数のサクラサイトをダミー会社に運営させて、数年間で約117億円もの被害を全国で発生させた出会い系サイトの大手グループであった、株式会社ウイングネットの経営者および幹部とサクラ役のアルバイト従業員らが逮捕、起訴されて有罪判決を受けた(執行猶予付きの1名を除き、実刑判決)。

④フェニックス事件

平成27年3月25日、東京の高田馬場にある出会い系サイトの事務所が捜索されて、メールオペレーターを含む34人が逮捕され、そのうち11人が組織犯罪処罰法(詐欺罪)で起訴された事件である。
運営事業者フェニックスに関しては、のちに経理担当者なども逮捕、起訴された。

⑤フリーワールド事件

平成28年9月には、ウイングネットの親会社とされ、またウイングネットに被害者を誘導する役割を果たし、広告費名目で多額の利益を享受していた株式会社フリーワールドの幹部が、詐欺罪により逮捕·起訴された。
海外に出国していた同社代表に対して、外務大臣が翌年には、旅券返納命令を通知し、帰国した同社代表は、組織犯罪処罰法 (詐欺罪)の容疑で逮捕·起訴されている(東京地方裁判所平成29年(合わ)4号ほか)。

5.出会い系詐欺被害における返金実績

実際に出会い詐欺被害にあってお金を支払ってしまった場合、いくら位取り戻せるのか?
弁護士に依頼された事件での返金実績についていくつか紹介します。

①初めは、低額のポイント料金だったのに、ポイント料金も徐々に上がり数億円の支援を受けることができるといううまい話に乗せられ、追加料金を払い続けたら89万円の被害総額に上ったケースで71万円の返金がなされました。

②芸能事務所に所属していると名乗る女性とメールのやり取りを続け、文字化けの解除や様々な手続きにお金を払わされた結果被害総額が78万円に上ったケースで59万円の返金がなされました。

6.まとめ

出会い系詐欺の被害に遭われた方はそのようなサービスを利用していたことにろめたさを感じて泣き寝入りするケースも多いです。
しかし、出会い系詐欺はそのような被害者の後ろめたさをも利用した悪質な犯罪類型です。
そのような被害を今後減らしていくためにも、ぜひ一度、弁護士にご相談ください。

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